【IT×英語】「英語を勉強してるならITエンジニアとしての学習は速くなるよ」は本当か
IT系の会話を覗いていると「英語を学習してるならITの習得は速いよ」という言葉を目にしたことがあるかもしれません。
実際に面接でも毎度のように言われるのですが、実際はどうなのでしょう。
今回は、大学で英語を専攻し、現在IT企業で働いている私が「英語を学んでいるとIT系の学習は速くなるのか」というテーマについて書いていきたいと思います。
結論から言うと「IT用語をイメージしやすくなったりはするけど、興味を持って取り組める人の方がずっと速い」と思っています。
まず私の英語経歴をできるだけ盛って書いておくと、大学時代は英文専攻に所属しており、TOEICでは905点を取得していました。授業の何割かは英語で受けており、卒論やレポートも英語で執筆していました。
ITの経歴で言うと、新卒で現在の会社に入社してネットワークエンジニアとなり、海外拠点の方と英語で業務を行なっています。
現実はワーキングプアで仕事も上手くできず死にたくなる毎日ですが、私も冒頭の台詞は何度も言われたことがあります。
しかし、死にたくなる毎日と言っていることからも分かるように「英語を学習しているだけでIT系の覚えが良くなるということはあまりないのかな」と思っています。
なぜなら、IT系の学習では
①コンピューターサイエンス的な素養
②サービスや製品、技術的仕様への興味
③仕組みの流れを捉えるそこそこの論理性
といった要素が大事だと感じているからです。
どれもざっくりしていて申し訳ないのですが、
私が勤務する中で感じたのは、実際に目で動きを見ることが難しい「メモリやCPUの働き」、「データの連携やソフトウェアの癖」など、経験したり勉強したりする中で体が慣れていく「素養」みたいなものが必要だということです。
また、何らかのアプリやサービス、製品などに関わる際には、まずサービスや製品全体への共感や興味があり、その手段として技術的な仕様や実現方法を考えていく必要があります。
もちろん「技術そのもの」の勉強も必要なので「この技術にはこんな特徴があって、こういう設定をすると内部ではこんな流れでこんな動きをして、実際にこういった結果になる」みたいな流れ(仕様)も覚えていくことになります。
私が実際に出来ているかは尋ねないでいただきたいのですが、とにかく英語ができるからという理由で、一概に学習が速くなるとは言えないのかなと思っています。
しかし、
確かにIT業界は英語で溢れているので、下記のような場面では役に立っていると感じました。
①初めてみる用語や機能をイメージするとき
②英語で書かれたドキュメントを読むとき
③英語で報告したり、やり取りするとき
例えばDHCPという用語を調べたとき「自動でIPを設定してくれる機能」という旨の説明に遭遇すると思います。英語が分からない場合だと、初見ではDHCP=「IPを自動で設定する機能」といった具合に、暗号を紐付けるようにして覚えることになります。
しかし”Dynamic Host Configuration p Protocol”という英語が分かれば、「動的にホストへ設定を入れてくれるプロトコルなんだな」と感じ取ることができます。
また、上で述べたような細かい仕様であったり、最新のドキュメントを読む際には、英語を使う機会が多いです(私がそれを行なっているとは言いません)。ただし、ドキュメントとして読まない場合でも、基本的にIT業界の用語や製品は英語で名付けられているので、損することは無いと思います。
最後の理由に関しては、仕事で使わなければ必要ないのかもしれません。しかし、海外出身の方とIT系の業務を行う上では、異常に役立つと思います。
というのも、海外出身の方はそもそも日本にいなかったり、リモートワークをしている場合があるためです。そんな時には、slackなどのテキストベースでやり取りするツールを使って、英語で論理立てた質問や報告をする必要があります。
こういった状況である程度英語ができると、意図の食い違いを減らしつつ、自分の伝えたいことを伝えることができると思います。
もちろん、まずは自分が伝えたい技術的な内容を理解する必要があります。しかし「自分は分かっているのに上手く伝わらない」パターンを減らして、コミュニケーションを円滑に進めることができるというメリットがあります。
以上、「英語を学習しているとIT系の学習が速くなるのか」というテーマに対して意見を書いてきました。やはり英語による+のメリットはありつつも、興味や素養を持っている方が+の度合いは大きいのかなと思います。
英語学習者に対する上記のセリフは、ある意味「技術を持つ人が、技術がない人に気を遣ってかける言葉」だと感じる瞬間もあります。
「年収が上がるか」といったテーマであればまた違うのかもしれません(ぜひそうであって欲しいです)が、今回のような「学習が速くなるか」というテーマであれば、
現在の英語力は気にしすぎない方が良いかもしれません。
しかし、そうは言っても英語って楽しいし、業務でも実際に役立っているから、英語を勉強してきた人は安心して今日を生きてくださいね。
2020年11月17日(火) 夢を見るぼく
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今日もお疲れ様です!
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